地域の中に「高齢者の居場所」を。 | 東京ウェッサイ

福祉亭 内部

多摩ニュータウンにどのようなイメージをお持ちでしょうか? マスコミでは、高齢化や団地の老朽化といったネガティブなイメージで取り上げられがちです。確かに、ニュータウンが開発された40年前に建てられた団地では、高齢化率が40%を越え、団地内の近隣商店街に昔のような活気はなく、高齢者を地域で支えていく必要性が高まっています。しかし、これはニュータウンに限った現象ではありません。

こうした状況を受けて、多摩ニュータウンの初期開発地域では、様々なタイプの「高齢者の居場所」が出来てきました。永山商店街にある「福祉亭」というコミュニティ・カフェもその一つ。10年前に誕生し、住民有志がNPOを立ち上げ運営しています。ここは、食事、喫茶、談話、囲碁将棋など、思い思いに高齢者が時を過ごし、交流や相互の見守りができる場所となっています。そして、ボランティアとして参加することで自己実現を図っている元気な高齢者もいます。とはいえ、高齢者だけの場所ではありません。コーヒーや栄養満点の定食を楽しみに、子供連れの若い母親なども利用者です。若手のボランティアも大募集中。

また、多摩ニュータウンの他の団地では、広い敷地の一角にキッチン・ガーデンを作り、それをツールとして住民の居場所づくりや高齢者の就業機会の創出を目指す活動なども起こり始めています。
高齢者とひとくちに言っても、アクティブなシニアから虚弱な方まで体力的にも幅があり、人生経験や考え方や性格など個性豊かです。これからは、多様なタイプの居場所が地域に存在することが、高齢者の暮らしを支える大切な要素になっていくのではないでしょうか? 継続して運営する仕組みづくりが今後の課題だと思います。

松本 真澄(首都大学東京)

松本 真澄 Matsumoto Masumi
首都大学東京都市環境学部 助教

日本女子大学住居学科卒業。現在、首都大学東京都市環境学部助教、青山学院女子短期大学非常勤講師。子供の頃に高円寺、三鷹台、多摩平と移り住み、今は横浜の築45年の団地に暮らす。単身者や女性の居住、多摩ニュータウンの生活環境などをテーマに、戦後の都市郊外における家族と住居と生活スタイルの変化を通して、これからの住まいのあり方を思索中。著書に「奇跡の団地 阿佐ヶ谷住宅」(共著)など。

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2022/01/13 16:22

地域の中に「高齢者の居場所」を。 http://t.co/CTbJTeVA

2012/01/07 20:40

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2012/01/07 14:29

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2012/01/06 22:14

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2012/01/06 20:05