子どもの本について学びましょう！ | 東京ウェッサイ

日本には絵本に興味のある人や子どもの教育に熱心な人が多く、世界中の絵本（言語）が翻訳出版されています。しかし、外国の絵本やキャラクターに人気が集まっても、その絵本がどの国のどんな人が書いたものかまでを探求しようとはしません。

例えばアジアの韓国、日本、中国が異なった文化だと知るように、イギリスとスペインとハンガリーの文化は異なっており、それぞれの国から届いた絵本も異なっているはずです。にも関わらず、子ども時代に読んだ本を外国の本とだけしか語れないのは、これからもっとグローバルに生きなければならない子どもたちの成長過程において非常にもったいないと感じています。

IBBYは1953年に「子どもの本の国際連合」としてドイツで設立されました。第二次世界大戦後の荒廃したドイツに住む子どもたちに本を届けようという、創設者イエラ・レップマンの呼びかけによるものです。その後本部はスイスに移り現在72カ国が加盟し、ユネスコやユニセフとの公共機関と連携した活動を行っています。その、IBBYが国際的なネットワークを活かして子どもの本に関する論文や意見をまとめたものが、『ブックバード』です。これを読むことで世界の子どもの本の今を知ることができます。私は、それを日本語にすることで、子どもたちの本の世界が広がるのではないかと、『ブックバード日本版』を発行しました。大人に学んでもらいたいと思ったのです。

そして創刊から約1年が過ぎ、これまでの特集から面白そうだと感じるテーマを少人数講座という形で議論できれば、もっとネットワークが広がるのではないかと思いました。ミックスカルチャーの聖地といえば、地元の高円寺。そこで以前から、壁ギャラリーをお借りして展覧会などを行っていたルカフェにお願いし、昼間営業だけのカフェを夜貸切にした「読むの木講座」を開始しました。

子どもの本の世界も、研究の専門化や現場の細分化が進み、同じ分野であってもお互いクロスオーバーの機会がないのが現状です。高円寺の「読むの木講座」はそれをつなぐ場所になりました。

と書くとかなりアカデミックに聞こえてしまうのですが、ようは子どもの本好きが集まって交流しましょうという趣旨です。これまで、3回開催しましたがどの講座も10人前後でワイワイと楽しく交流できました！4回目はちょっとまじめに、障害者図書についてお話しようと思っています。

IBBY http://www.ibby.org/

●2011年12月15日発売！『ブックバード日本版』No7
特集　児童文学の世界に存在する「今」と「むかし」のつながり/日本国際児童図書評議会会長(元国際子ども図書館館長)村山隆雄氏インタビュー

●2012年3月15日発売 ！『ブックバード日本版』No8
特集　世界に広がる児童文学「マンガ」/アカデミー賞短編アニメーション部門受賞作家 ショーン・タン氏が語る作品

●2011年12月14日（水）高円寺ル・カフェで開催！参加者大募集中！
「読むの木講座」第4回それが聞きたい！「バリアフリー図書が必要な理由」
ノルウェーのハウグ養護学校内にあるIBBY障害児図書資料センターに、世界中から障害を抱える子どものためのバリアフリー図書児童書が集められています。そしてその中から、特に優れた図書を選出し、2年に一度、推薦図書リストを作成しボローニャ国際ブックフェアで紹介された後、希望する各国で巡回展示が行われます。日本でこのプロジェクトの実行委員を務める撹上久子さんがゲストです。